とある夏に近場の湖を訪れた。

皆それぞれにこの場所を楽しんでいた。

散歩している人、寝転がっている人、

おしゃべりしている人、犬と子供と駆け回っている人。

にぎやかだが、とてもゆっくりした時間が流れていた。

日が暮れると共に、皆家に帰っていった。

いつかこんな場所で何かの形で関われたら、展示などできたらなと思った。

この経験をきっかけに、どのようにしたら野外に絵画を展示できるのかを考えはじめました。どのようにしたら、野外に絵を飾るだけではない展示が出来るのか考えたとき、動物や人物が私の作品にとって重要なテーマであることから、絵の中に描いているモチーフを三次元にし、自然の中にインスタレーションしてみようと思いました。

このプロジェクトは、どのような形にしたら自然の中に美術作品を取り入れることが成り立ち、その場に合う、自然と融合する空間が作れるのかを考え、表現していくプロジェクトです。

どの身近な素材、慣れ親しんだ素材で想像している形を実現することができるのかを考えたとき、彩色にも合っていることから、張り子(混凝紙)を使って立体作品を作る考えが浮かびました。

また、この素材で大きな立体が作れるのかも試してみようと思いました。

紙で作られた立体と自然風景の組み合わせで、訪れる人にゆったりとした、あたたかい空間を作り出し、作品が空間と共に喜びや楽しみを与えられる要素の一部にになればいいなという思いを込めて作品を作りました。

普段作らない立体作品を扱うことを通して、平面作品との制作過程の違いを対比し、両方の長所を取り入れて、今後の自分の作品の更なる可能性を見つける一つのきっかけになればと思って制作に取り組みました。

このプロジェクトを通して、多くの人と地域とより深く関わるきっかけをつくり、また様々な場所で美術作品を展示する可能性を広げていけたらと思っています。

今後様々な方々、アーティストの方と意見交換し、一緒に作り上げることで、プロジェクトの可能性を更に広げていこうと思っています。